CATインターフェースケーブルその2
新たに FT-817 用に CAT インターフェースケーブルを作ってみた。CAT ケーブルとして問題なく動作するようだ。以前に作った UP-12C を使った CAT インターフェースケーブルの USB 化ではいちおう Mac でデバイスは認識したが、チップメーカのサイトに Mac のコントラーラチップのドライバがなく、がんばって Mac のドライバーを書こうとしたが情けないことに断念していた。今回の CAT インターフェースケーブルは秋月電子通商の " FT232RL USBシリアル変換モジュール AE-UM232R " を使用して作成した。950円。
通常の USB シリアル変換ケーブルでは、RS232C のレベルコンバータが入っているのだが、このモジュールは USB からシリアルに変換するだけで、RS232C のレベルコンバータが入ってなく TTL レベルのシリアルである。このため CAT インターフェースケーブルとしては願ったりなモジュールである。そしてこのモジュールはハンダ不要で基板が出来あがっている。ついでに FTDI のサイトに AE-UM232R で使っているチップである FT232R 向けの Mac OS X のドライバがあり、まさに願ったり叶ったりなモジュールなのだ。ただし注意しなければならないのは、FTDI のサイトにある Mac OS X ドライバは FT232R チップのドライバであり、秋月電子通商の AE-UM232R のドライバではないため AE-UM232R の動作保証はしていないということだ。
モジュールは USB ミニ B 端子と TTL レベルとして 24 ピン DIP-IC サイズで端子が出ている。このうち使用するのは 1 番 TXD 、5 番 RXD 、7 番 GND の 3 つのピンのみだ。これを FT-817 の ACC コネクタである DIN 8 ピンのオス端子に接続するだけ。FT232R の TXD を CAT の RXD に、FT232R の RXD を TXD に、GND 同士をそれぞれ接続する。これで出来上がり。
このモジュールの USB ミニ B 端子は一般的な USB ケーブルでは対応していないので標準の USB B 端子にしようかと考えたが、秋月の店頭の AE-UM232R が置いてある箱の横に USB ミニ B端子〜USB 端子のケーブルが 250円で売っていたので無理せずにそのケーブルを使うことにした。よってモジュールとケーブルを購入するとハンダ付けするのは、この 3 つのピンだけである。至極簡単だ。費用は、AE-UM232R(950円)+USBミニ2B端子ケーブル(250円)=1,200円 である。DIN 8ピンケーブルは、以前に UP-12C で作った DIN ケーブルの余った半分を使った。また、いまは基板が裸のままなのでいずれケースに入れたい。100均にある小さなプラケースで十分だ。
ところで秋月で売っている出来上がっている USB シリアルケーブルも購入して試してみた。このケーブルは PL-2303 という Prolific のチップを使っており、こちらも Prolific が Mac OS X のドライバーを提供している。試しに手元の Mac に接続して対抗の PC と通信してみたところ動作した。ハンダを握りたくない場合はこのケーブルを買って、スタンダードの純正の CAT インターフェースケーブル CT-62 を接続すれば使えるのではないだろうか。あいにく CT-62 を買うつもりはなく検証はできない。
FTDI のドライバをインストールして AE-UM232R をMac OS X に接続して USB Probe を実行してみた結果。
Full Speed device @ 2 (0x3B100000): ............................................. Composite device: "FT232R USB UART"
Device Descriptor
Descriptor Version Number: 0x0200
Device Class: 0 (Composite)
Device Subclass: 0
Device Protocol: 0
Device MaxPacketSize: 8
Device VendorID/ProductID: 0x0403/0x6001 (Future Technology Devices International Limited)
Device Version Number: 0x0600
Number of Configurations: 1
Manufacturer String: 1 "FTDI"
Product String: 2 "FT232R USB UART"
Serial Number String: 3 "A1000voa"
Configuration Descriptor
Length (and contents): 32
Raw Descriptor (hex) 0000: 09 02 00 20 01 01 00 A0 2D 09 04 00 00 02 FF FF
Raw Descriptor (hex) 0010: FF 02 07 05 81 02 40 00 00 07 05 02 02 40 00 00
Unknown Descriptor 0020:
Number of Interfaces: 1
Configuration Value: 1
Attributes: 0xA0 (bus-powered, remote wakeup)
MaxPower: 90 ma
Interface #0 - Vendor-specific
Alternate Setting 0
Number of Endpoints 2
Interface Class: 255 (Vendor-specific)
Interface Subclass; 255 (Vendor-specific)
Interface Protocol: 255
Endpoint 0x81 - Bulk Input
Address: 0x81 (IN)
Attributes: 0x02 (Bulk no synchronization data endpoint)
Max Packet Size: 64
Polling Interval: 0 ms
Endpoint 0x02 - Bulk Output
Address: 0x02 (OUT)
Attributes: 0x02 (Bulk no synchronization data endpoint)
Max Packet Size: 64
Polling Interval: 0 ms
また Prolific のドライバをインストールして USB シリアル変換ケーブルを Mac に接続した結果。
Full Speed device @ 2 (0x1B100000): ............................................. Composite device: "USB-Serial Controller"
Device Descriptor
Descriptor Version Number: 0x0110
Device Class: 0 (Composite)
Device Subclass: 0
Device Protocol: 0
Device MaxPacketSize: 64
Device VendorID/ProductID: 0x067B/0x2303 (Prolific Technology, Inc.)
Device Version Number: 0x0300
Number of Configurations: 1
Manufacturer String: 1 "Prolific Technology Inc."
Product String: 2 "USB-Serial Controller"
Serial Number String: 0 (none)
Configuration Descriptor
Length (and contents): 39
Raw Descriptor (hex) 0000: 09 02 00 27 01 01 00 A0 FA 09 04 00 00 03 FF 00
Raw Descriptor (hex) 0010: 00 00 07 05 81 03 0A 00 01 07 05 02 02 40 00 00
Raw Descriptor (hex) 0020: 07 05 83 02 40 00 00
Number of Interfaces: 1
Configuration Value: 1
Attributes: 0xA0 (bus-powered, remote wakeup)
MaxPower: 500 ma
Interface #0 - Vendor-specific
Alternate Setting 0
Number of Endpoints 3
Interface Class: 255 (Vendor-specific)
Interface Subclass; 0 (Vendor-specific)
Interface Protocol: 0
Endpoint 0x81 - Interrupt Input
Address: 0x81 (IN)
Attributes: 0x03 (Interrupt no synchronization data endpoint)
Max Packet Size: 10
Polling Interval: 1 ms
Endpoint 0x02 - Bulk Output
Address: 0x02 (OUT)
Attributes: 0x02 (Bulk no synchronization data endpoint)
Max Packet Size: 64
Polling Interval: 0 ms
Endpoint 0x83 - Bulk Input
Address: 0x83 (IN)
Attributes: 0x02 (Bulk no synchronization data endpoint)
Max Packet Size: 64
Polling Interval: 0 ms
さて下準備はできた。あとはいつできるかはわからないが、 Mac OS X から FT-817 を制御するソフトを作るだけになった。まずは世間に出ている Mac OS X で動作するアマチュア無線用ソフトで試してみることにしよう。
参考までに、今迄確認した UP-12C を USB 化したケーブル、今回製作した AE-UM232R のケーブル、USBシリアル変換ケーブルの3つ共に、Windows XP で Ham Radio Deluxe を使い FT-817 を制御できていることを付け加えておく。
